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2007年12月27日 (木)

私(わたくし)的映画祭2007

今年観た映画の中から独断で優秀作品を選んだ。やはり5本に絞りきれず、12本に広げた。観たのが全部で60本だから、ちょうど5分の1できりがいい。

上位3本は10点満点を付けた作品である。




第1位 ブラックブック
 もう断トツの1位だ!!予告編で聞いた、女が歌う陽気な歌が頭から離れなかったので観に行った。本当に行って良かった。
 1944年、ナチス・ドイツの占領下にあったオランダ。家族を銃殺され、ひとり生き残ったユダヤ人女性はレジスタンス(ナチスの抵抗勢力)のスパイとなってナチスの軍人に接触するが、やがて軍人と恋に落ちてしまう。
 重いテーマを扱っていながら、一級のサスペンスドラマに仕上がった傑作である。主演のカリス・ファン・ハウテンの体当たりの演技も特筆に価する。

第2位 4分間のピアニスト
 老いたピアノ教師の女性が刑務所で一人の少女と出会う。教師は少女のピアノの才能を見抜き、レッスンを重ね、コンテストに出場させる。
 私は暴力的なキャラクターは好きになれないのだが、この少女は例外で、応援せずにはいられなかった。少女がピアノを、音楽を愛しているからなのだろう。
 ラストの演奏は予想に反したもので、正直ちょっとがっかりしたが、今はむしろあの展開のほうが彼女らしくて良かったのだと思える。それほど力のある作品だ。

第3位 絶対の愛
 私には難解な作品である。観終わって、メビウスの輪の中に閉じ込められたように感じたが、それでも好きだ。何故か惹きつけられてしまう。
 “韓国の北野武”とも呼ばれるキム・ギドク監督の作品は今作の他に「うつせみ」と「弓」を観たが、どちらも素晴らしかった。
 ネットの情報によると、新作を発表したとか。日本でも公開されるなら、絶対に観たい。




第4位以下は9点で次の順だが、確定することに未だに迷いがあるので、あえて順位は書かない。




天然コケッコー
 中学生の少女が通う田舎の分校に少年が転校してきて、恋をしたり修学旅行に行ったりしているうちに卒業を迎える。それだけの話なのに、全然退屈しない。
 平凡な日常を緻密に描いて魅力的な物語に昇華させられる人こそが一流である。渡辺あやは原作に忠実に脚本を書いたというから、まず原作の漫画が相当優れているのだろうが、山下敦弘監督の手腕も見事である。夏帆の演技も本物の田舎娘を見るようで素晴らしかった。
 「リアリズムの宿」を観た時、山下監督は一部の熱狂的なファンだけが喜びそうな映画を撮り続ける人なのかなあと思ったが、「リンダ リンダ リンダ」で間口が一気に広がった感じがする。作風も幅広くなったし、今後も注目したい作家の一人である。

それでも生きる子供たちへ
 7人の監督が子供をとりまく問題をテーマに作った短編を集めた映画である。
そのうち、最後に登場するジョン・ウー監督の「桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)」が抜きん出ている。
 一体のフランス人形をめぐる、裕福な家の少女と貧しい境遇にある少女の物語。ラストシーンは少女の夢か現実か?私は後者であると信じたい。

市川崑物語
 
この作品については既に書いたので省略。

殯(もがり)の森
 この作品もよく解らず、観た後でパンフレットを読んで、そういうことを言いたかったのかと知った次第である。
 しかし、難しいことを難しく語り、話についていけない客を見下すようなインテリ映画とは一線を画している。この作品には優しさがあるのだ。
 グループホームで暮らす認知症を患った初老の男と、職員の若い女が森へ行く。豪雨に見舞われた森で木が倒れ、川が氾濫する場面はあまりにもリアルで、夜の闇の映像は美しい。女が裸になって男の身体を温めるシーンは神々しく、母性に溢れていた。

夕凪の街 桜の国
 この作品については既に書いたので省略。

善き人のためのソナタ
 冷戦時代の東ドイツでは国民の統制のために盗聴等による監視が行われていた。その史実を基にしたフィクションである。
 監督(脚本も書いている)が撮影当時弱冠33歳だったというから驚かされる。
 なお、実際に監視された過去を持ち、この作品では監視する側の大尉を演じたウルリッヒ・ミューエはその後病に倒れ、今年54歳の若さで亡くなっている。

椿三十郎
 この作品については既に書いたので省略。

それでもボクはやってない
 伊丹十三の影響を受けたと自認する周防正行監督が、伊丹ばりの綿密な取材を基に脚本を書き、日本の裁判の現実を描く。
 加瀬亮と山本耕史の好演が印象深い。
 無実の罪を着せられて服役し、出所後に真犯人が明らかになってようやく潔白が証明された富山の男性は、自分も警察で主人公と同様の扱いを受けたとテレビ局のインタビューに答えている。

不都合な真実
 地球温暖化の影響はそう深刻なものではないと主張する学者もいるが、二酸化炭素を減らす取り組みは、空気の浄化や経費削減の効果もあり、そういう意味でも積極的に進めるべきと考える。
 そんな中、アメリカ、中国、インドは二酸化炭素排出量ワーストクラスに入っているというのに、対策に拒否的なのが腹立たしい。
 いつか地球全体が取り返しのつかない事態に陥った時、日本を含め排出量の多い国は「自業自得だ」と無理矢理納得することもできようが、自動車も工場もテレビも新聞も無い地域でずっと生きてきた人々は、責任が一切無いのに訳も分からぬうちに巻き込まれるわけで、これは不条理以外の何ものでもない。


※次点は成海璃子、松山ケンイチらが出演した「神童」。(限りなく9点に近い8点)




来年は三谷幸喜、宮崎駿の新作公開が予定されているし、綾瀬はるかが出演する日韓合作映画もベールを脱ぐ。



おっと忘れちゃいけない。「相棒」もあった。



来年は面白い映画が今年よりも多く観られそうな予感がする。





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